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Seras学院では、生徒の志望校の入試傾向を研究し、最適な学習プランを提案いたします。今回は、【関西大学の古文】の過去問を紹介しながら、消去法で選択肢を絞り込むアプローチを紹介し、入試問題を解くためにやるべき勉強方法を解説します。
大学によって受験科目は異なりますので、志望校が決まっている方は、個別に調べていただくとして、一般的には以下のような傾向があります。
・理系国公立志望⇒共通テストで受験
・私立文系・産近甲龍以上⇒個別試験で受験
・私立文系・摂神追桃以下⇒国語は現代文のみが多い
(1)古文単語の暗記:やると決めたら短期決戦で仕上げる!
(2)古文文法の理解:古文文法の基礎を固める(活用表の暗記など)
⇒古文文法の演習問題に取り組む。
(3)古文読解・理解本:読解のテクニックや古典常識の活用法を学ぶ。
(4)古文読解・演習本:産近甲龍以上を目指すなら、3冊やりましょう!
「ドラゴン堀江」という東大受験企画の番組で、ホリエモンが「古文は成績が上がりやすいから、自信をつけるために最初に着手すべき」と言っていましたが、まさにその通りです。単語と文法を一気に覚えて、理解本を10時間でサッと読み演習するという流れで、割と短期間で成績が伸びます。
2019年度の関西大学・古文の過去問を見てみましょう。関大では「源氏物語」「浜松中納言物語」が頻出の作品のようですが、今回は「浜松中納言物語」です。古文の問題では、物語の一部分を切り取っていますので、途中から始まるにあたり、「前書き」があり、人物関係やそれまでの経緯が説明されています。今回の前書きは以下の通り。
「次の文章は、唐での留学期間を終えた中納言が、愛する唐の后と別れて、后との間に生まれた若君をつれて帰国してきた場面である。」
では、2019年関西大学の入試問題、文章の前半です。
冒頭の1フレーズを品詞分解してみましょう。「渡りこしほどは」ですが、ここの「こし」を「越し」と誤解してはいけません。まず、「ほど(程)」が「時・頃」の意味で名詞ですので、その上は「連体形」ですよね。過去の助動詞「き」の活用表を思い出してみましょう。「せ・〇・き・し・しか・〇」で、連体形では「し」となります。今回の「こし」は文法的に説明すると、「カ変動詞『来』の未然形+過去の助動詞『き』の連体形」となります。
「あれ?助動詞の『き』は連用形接続じゃ?」と思った方は、少し勘がよいのですが、少し詰めが甘いです。持っている古文文法の参考書を開いてみましょう。「カ変・サ変には未然形に接続することがある」と記載があるはず。今回はそのパターンですね。この品詞分解をすると、「渡ってきた頃は・・・」と回想シーンが始まるのだと分かり、その後の文が読みやすくなりますよね。
古文文法はまず基礎の定着が大切です。活用表や助動詞の意味・見分け方など、一見すると無駄そうな勉強を1つ1つ丁寧にやっていくことで、入試問題も解けるようになります。
古文単語を覚えないといけないのはどうしてでしょうか?同じ日本語なのに・・・。それは、現代の日本人が理解できない・間違えやすい単語を集めたのが「古文単語(帳)」だと思ってください。そして、受験で暗記する約300語の古文単語が、そのまま入試で問われます。単語帳に載っている古文単語は、多くの受験生が間違えやすい単語で、その意味理解を問うことで「解ける生徒と解けない生徒の差」が生まれるからです。
今回は、「いとけなし」が「幼い」という意味だと暗記できていて、前書きを踏まえて「幼い形見」が「若君」を指すと理解できれば、選択肢が消去できるようになっています。幼い〇〇って何?と考えれば、想像つきますよね。
選択肢はa~eの5つあり、b~dの選択肢では「かわいらしい妻の形見だけをそばに置いて」とあり、選択肢aとeでは「形見の幼い若君だけをそばに置いて」とあります。ここで、b~dを選択肢から消去できますね!
「基礎の基礎が大切だというのを何度も言っておきます」と東進のCMでマドンナ古文の萩野先生が仰っていましたが、ここまで紹介したのは「古文単語と古文文法」という「基礎」をしっかり頭に定着させるだけで入試問題が解きやすくなるという話でした。
古文単語と古文文法はとても大切なので、学校も宿題として古文単語や古文文法の小テストを定期的に実施していますよね。学校の定期テストや小テストではいつも高得点を取れるのに、模試では「全然読めない」状態に悩む受験生は多いです。
そんなアナタは、古文の読解方法を解説している参考書を1冊マスターして、その後に、その読解テクニックを活用して色んな古文の文章を読んでみましょう!
読解テクニックって何?古典常識って覚えないとダメ?と疑問に感じる受験生も多いと思いますので、次回の古文特集では、「古文読解テクニックと古典常識の大切さ」について、関西大学の過去問(2019年度の同じ問題)を使って解説します。続編をお楽しみに!