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「振る舞う」の英訳として”act”と”behave”に違いはあるのかと生徒から質問がありました。こういう疑問を持つことが英語学習において重要であること、そして、こういう疑問が生じた時の解決方法・リサーチ法を紹介します。
2021年の大学入試改革により、大学受験の英語は、読む・聞く・書く・話すの4技能を測る入試に変わります。
今までは「読めればよい」という認識で難解な単語をたくさん覚えるのが大学受験の英語の特徴でした。
これからは「自分でアウトプット(書く・話す)」できる単語の多さも重要になります。
通常、インプットできる単語よりも、アウトプットできる単語は簡単なものに限られます。
例えば、”discredit”(信頼できないものとする)という単語は「読める単語」であり、高校生には「使いこなせる・書ける単語」ではありません。
英英辞書的に表現すると、”to make people stop respecting or believing sb/sth”となります。
この場合、”make”や”stop”、”respect”、”believe”といった単語は「使いこなせる・書ける単語」です。
最近の大学受験の英単語帳では、この「使いこなせる・書ける単語」を正しく使い分ける力を伸ばそうというコンセプトのものが多いです。
典型的なのが、『必携英単語LEAP』(チャート研究所)です。著者はドラゴンイングリッシュでお馴染みの竹岡広信先生です。私が知る限りでは、三島高校や春日丘高校など大阪の府立高校での指定単語帳に選ばれ始めているようです。中身は「アウトプットしたい単語」を前半に、「インプットだけできればいい単語」を後半に収録しているのが大きな特徴です。
はじめに紹介した生徒の質問に答えていきましょう。
基本的には意味は同じ。ただ、”behave”の方に「(礼儀正しく、分別よく)振る舞う」という含みのある意味がありますので、「子供っぽく振舞った」と言う場合には”behave”を使うとニュアンスが合いません。
これは有名な例ですが、”notice”は五感を通じて気づく場合に、”realize”は経験や理屈で気づく場合に使います。
「生徒の顔色が悪いことに気づく」なら、目で見て(五感)ですので、”notice”を使います。
「成績を上げるのには毎日コツコツと勉強すべきだというのに気づく」なら、何らかの経験や理屈を通じて気づくものですので、”realize”です。
私が河合塾・大手予備校にて浪人していた際に、「京大英語コース」を受講していましたが、授業の内容の半分は今回のような「単語の意味の違い・使い分け」についての解説でした。
大学受験での英作文は、この使い分けと「難解な日本語を簡単な表現にかみ砕いてから英訳する」テクニックの2つさえ身に付ければ合格点を取ることができます。
詳しくは『関正生の英作文プラチナルール』という参考書を読んでみてください。
2014年度 大阪市立大学の理系英語では、英作文で上の画像のような問題が出ています。
「痛みは目で見ることも・・・」の「見る」をどの英単語にするか、使い分ける力が問われています。簡単に思いつくのは”look at”、”see”と”watch”の3パターン。さて、どれが正しいでしょうか?
当塾は自立指導を基本としています。分からないことがあった時、その疑問を毎回先生に質問しないと解決できない「先生に依存する生徒」を作らない。個別指導塾の弊害にはかからせないのが、当塾の指導方針です。では、どうするか?疑問が生じた時の解決方法を提案しています。ですので、今回も上記のような疑問が発生した時に、「どうやって自力で解決するか」を紹介します。
まずはgoogle先生に聞きましょう。単語の意味の違いについては、大学受験レベルで区別しないといけないものなら、必ず解説が見つかります。
もし、検索しても見つからない場合は、大学受験レベルでは理解する必要のない区別だということです。深入りしないことも大切です。
ブログ記事を読むと、違いの解説があります。試しに、”look at”、”see”、”watch”の違いで調べてみてください。
ただ、注意して欲しいのは、ネットのブログ記事を100%信用してはいけません。参考書なら、内容に間違いがないか入念にチェックした上での出版ですので信用できますが、ネットの情報は必ず正しいものではないです。そのため、(3)以降のプロセスで予想・仮説を検証・確認する必要があります。
ネットの記事である程度理解していて、仮説を立てている状態で紙の辞書を読むと、すぐにヒントになる記載が見つかります。普段は読み飛ばしているようなカッコ書きの記載がヒントになる場合が多いです。
用例を見てみましょう。使っている場面が、自分が立てた予想・仮説と合致するかを確認します。
・英英辞典を活用する
・熟語の場合は「完全一致検索」を実行する
googleで「look at」とか「look for」とか特に記号を足さずに検索すると、文章の中でlookとatの単語がそれぞれ含まれる文章がヒットするようになっています。
つまり、「look at」と連続して熟語として記載されていないものまで検索結果に出てしまうのです。
ですので、「完全一致検索」を行いましょう。”look at”と熟語をダブルクォーテーションで囲むと完全一致検索になります。
詳しく検索テクニックを知りたい方はGoogle検索の高度なテクニックについての記事をご覧ください。