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Seras学院の講師が関西大学の古文を研究して見つけた、効率の良い「消去法による解答テクニック」を紹介します!
まず本文に入る前に、リード文を見ましょう。
ここに書いてある通り、出典は『源氏物語』ですが、主人公の光源氏と薫の本当の父親の柏木はすでに亡くなっていて、薫とその母である女三の宮の2人しか生きていません。
つまり、今回の本文の主となる登場人物は、「薫」と「女三の宮」であることが分かります。
ここは本文を読んでいくうえでの重要情報となるので、しっかりチェックしておきましょう。
まずは本文を見ましょう。
「本文内容がよく分からない…」と思った人もいるでしょう。
しかし、なんと関西大学の古文は問題の該当箇所を見つけることが出来れば、あとは基礎的な古文単語の知識と文法の知識があれば解けます。
これがここが該当箇所になっている問2です。
選択肢を見てみましょう。
選択肢は5つで、パッと見た感じとても長く、時間がかかりそうに感じると思います。
ここで使うのが消去法です!
消去法は段階的に使っていきます。
まずはステップ①です。
全文が「幼い頃にほのかに聞いたことを詳しく聞きたいと思っていたが、」で始まっていることが分かります。
つまり、この部分は絶対に正しいので、特に吟味する必要がないことが分かります。
次の部分を見てみましょう。
ここは大きく「聞くことができる人がいなかった」と「自分が事情を知っていると誰かに思われるのは気が引ける」の2種類の文に分かれていることが分かります。
これらの2文ともおおまかな内容は合っているので、それぞれの文を細かく見ていきます。
「聞くことができる人がいなかった」系の文を先に消去法で吟味していきます。
a・bに共通するのは、「母である女三の宮に、自分の出自について聞こうとしていた」という部分です。しかし、本文内容には、「女三の宮に自分の出自を聞くのはきまりが悪い」としか書いておらず、一度も聞こうとしていない。また、聞こうと思っているかのような文章も記載されていません。よって、a・bは✖であると判断できます。
次に、cですが、「宮中の人々」という部分は、たしかに該当箇所に「宮」という単語が登場するので一見正しそうに思えますが、リード文に『女三の宮(文中では「母宮」「宮」)』とあります。つまり、該当箇所の「宮」は「女三の宮」であることが分かります。よって、cは✖であると判断できます。
いよいよ最後のステップです。
d・eの「自分が事情を知っていると誰かに思われるのは気が引ける」系の文を消去法で吟味していきます。
この2文はほぼ同じなのですが、1つだけ違う部分があります。それは、自分が事情を知っていると誰に思われると気が引けるのかという部分です。dは「女三の宮」、eは「宮中の人々」を対象としています。ここで役立つのがステップ③で分かった、「文中の宮は女三の宮である」です。つまりこの部分の「宮」の解釈もこのステップ③で分かったことに当てはめると、「女三の宮」になるということが分かります。よって、eは✖であると判断できます。
したがって、この問題の正解はdであるということが分かりました。
このように、消去法を使うと、長く感じられた問題も種類分けされて、あっさりと答えが浮かび上がってきます。
しかし、「消去法使えばいいから古文単語とか古文文法しなくていいな!」と思うのは間違いです。
基礎的な古文単語と古文文法を知っているからこそ、消去法を使うことができるのです。
これから関西大学の合格を目指す人に向けてのアドバイスとしては、基礎的な古文単語と古文文法をしっかりと覚え、関西大学の過去問で消去法を実践し、本番で使えるレベルに仕上げておくことが大事だということです。
古文力アップ、そして、大学合格目指して頑張ってください!