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大阪医科薬科大看護学部の過去問解答解説になります。
HPからは直接入手できなくなっているので必要があればご利用ください。
問1 正解 b;
①:× 塩化銀はAgClのことであり、塩化物イオンと銀イオンのイオン結晶である。
⑤:× 炭酸カルシウムは石灰岩(グラウンドで使う白線)のことです。簡単に水には溶けません。
問2 正解 e;
元素は物質を構成する粒の一つであり、単体は一種類の元素から構成されている”物質”そのもののことを指します。
したがって、1円玉の原料となるアルミニウム(⑤)と水の電気分解で得られる物質の酸素(④)が答えになります。
③も④に似ていますが、“構成”しているものについての説明なので元素の意味で使用されています。
問3 正解 b;
中性子数は(元素記号の左上の数)―(元素記号の左下の数)で計算できます。元素記号の左下の数は原子番号と同じになります。
計算をしていくと
a;(1,2) b;(10,10) c;(8,16) d;(12,13) e;(20,22)
問4 正解 d;
酸素の原子量は16なので、MxOyの原子量は27×x+16×yとなり、MとOの質量比は27x:16yであり、これが9:8になるのでx:y=2:3である。
問5 正解 b;
同素体となる材料は単一の元素のみを使用し、一個の基準となる構造体に使用される元素の数が違うことで存在するので、選択肢の中から同じ単体の物質の組み合わせを選ぶと、bのダイヤモンドとフラーレンである。(ダイヤモンドは炭素4個、フラーレンは炭素60個が基準の構造である。)
問6 正解e;
各分子に使われている共有結合の数を調べる。
a:3本 b:1本 c:2本 d:3本 e:4本
共有結合一本当たり2個の電子が使われている。
問7 正解 e;
配位結合とは非共有電子対を持つ原子に価電子を持たないイオンが結合してできる結合である。また、物質内で共有結合と配位結合を複数個持つ場合、これらの結合を1結合ずつどちらの結合か区別することは不可能である。
選択肢の内オキソニウムイオンとアンモニウムイオン、塩化アンモニウムが配位結合を持つものになる。
問8 正解 ア抽出 イ再結晶
水和物か否かで溶媒への溶けやすさを利用する分離方法は抽出である。
また、同一溶媒内に溶けその時の温度で溶解度が変化することを利用する方法は再結晶である。
溶媒に使う物質と分離したい物体の状態で適切な分離方法は変わってくるので覚えておきましょう。
問1 正解 d;
それぞれの物質をmolに変換すると、黒鉛は1mol存在し、酸素は3/4=0.75mol存在している。
これらをすべて反応させて、一酸化炭素と二酸化炭素を発生させているので、それぞれの化学反応比は
C+O2→CO2 と 2C+O2→2COである。
二酸化炭素の発生に使用した黒鉛のmolをxとすると、二酸化炭素の発生に使用した酸素のmolと発生した二酸化炭素のmolもxとなる。
また、一酸化炭素の発生し使用した黒鉛と酸素は残ったmolが活用されているので黒鉛が1-x、酸素のmolは0.75-xになる。
反応の係数比より1-x:0.75-x=2:1がなりたつので、計算すると、x=0.5が求められる。
これらを使って発生した一酸化炭素と二酸化炭素のmolを求めると、それぞれ0.5molずつになるので発生したこれらの比は1:1である。
問2 正解c;
まず空気の標準状態での密度を求める。
単体の気体の標準状態での密度は分子量から計算できるが、今回の空気は混合気体とされている。したがって、混ぜた気体の分子量と混ぜた割合から求めることになる。
空気は窒素(分子量28)と酸素(分子量32)を4:1で混ぜているので、この混合気体の式量は
炭化水素はこれの1.39倍なので、39.476となる。
これが炭化水素Xの式量となるはずであり、一番この値に近づく物質はC3H4である。
問3
(1)正解 e;
四塩化炭素分子は炭素を一つと塩素を4つから構成される。
この中で一番小さい相対質量は使用する炭素が12で、塩素が35の4つを使用した時であり、計算すると152となる。同様に最大となる相対質量を計算すると、161となる。
この間の相対質量は全て存在することができるので、相対質量の異なる四塩化炭素は全部で10種類存在する。
(2)正解 b;
相対質量の異なる物質の存在比は数学の確立問題のように求めます。
つまり、各質量の同位体の存在比とそれらの原子の数の組み合わせが必要ということです。
四塩化炭素に使用する炭素はその存在比が99:1であることから一番多いのは12の炭素を使用するときになります。
したがって、残りの4つの塩素の存在比が答えに重要になります。
4つとも35の塩素を使用する確率は(76%)4から計算できます。
3つが35の塩素で1つだけ37の塩素である確率は(76%)3*(24%)*4C1になります。
同様にして残りの二つの選択肢も計算できます。
実際の存在比の数値を計算で出すのではなく、大小関係を調べればいいだけなので一組ずつ比較していきます。
aとbを比較すると計算上同じ部分を除いていくと76%と24%*4(=96%)の比較となり、bのほうが大きくなります。
以下の選択肢も同様に比較していくと、最大はbということになります。
問4 正解e;
塩が溶けた際に発生するイオンに水素イオンか水酸化物イオンが存在するかで判断します。
今回選択肢にある5つの塩から直接水酸化物イオンが発生するものは用意されていないので、すぐには確定できない。
答えとなる酢酸ナトリウムがなぜ塩基性水溶液になるか説明する。
酢酸ナトリウムには水素イオンも水酸化物イオンも存在しないので、すぐにはイメージできない。
ナトリウムイオンは電離度が高いため、酢酸イオンとナトリウムイオンは完全に分離するが、酢酸イオンは電離度が低いため、水溶液中の水素イオンと結合し酢酸となる。
その結果水溶液中は水酸化物イオンが相対的に多くなるので、水溶液が塩基性となる。
問5
今回の問題のテーマは炭酸ナトリウムの二段階滴定のことである。
特徴として炭酸ナトリウムの一回目の滴定ではすべての炭酸ナトリウムが炭酸水素ナトリウムに変換され、二回目の滴定ですべての炭酸水素ナトリウムが塩化ナトリウムに変換される。
また、この時滴定に使用される塩酸の量は、一回目の滴定と二回目の滴定で同じである。
(1) 正解 d;
この実験は全体として塩基性から酸性へ変化していく。
ア:フェノールフタレインは塩基性で赤色、中性~酸性で無色である。
イ:メチルオレンジは塩基性~中性で黄色、酸性で赤色になる。
(2) 正解 b;
1回目の中和反応と2回目の中和反応で使用される塩酸の量は変化しないので、8.0mlである。
(3) 正解 85%;
一回目の中和反応に使用された水素イオンの物質量は
である。
答えとなる純度をx%とすると、炭酸ナトリウムの粉末はx/100(g)であり、炭酸ナトリウムの式量は106なので、物質量はx/10600molとなる。
この物質量の内、20/200が一回目の中和反応に使用されるので、
一回目の中和反応に使用される水酸化物イオンの物質量は
であり、これらが同じ値になるので、
したがって、有効数字を考えると、答えは85%
問6 正解 3.4L
それぞれの半反応式から全体の反応式を合成すると、
Cr2O72-+3H2O2+8H+→2Cr3++3O2+7H2O
となるため、二クロム酸カリウム1molから酸素が3mol獲得できる。
今回の反応で使用したニクロム酸カリウムは0.05molであるため、発生する酸素は0.15molである。
これは標準状態で22.4*0.15=3.36Lとなるので、答えは3.4L