阪急茨木市駅徒歩5分の高校生専門学習塾
Seras学院を始めて3年目。気づいたことがあります。高校生のカバンが重たいこと!いったい、何が入っているのだろうかと、いつも不思議に思っているのですが、とにかく学校帰りの生徒のカバンは皆共通して「パンパン」です。学校の教材だけでも量が多いのに、Seras学院は参考書で自学自習するスタイルの塾です。学校への通学のカバンには入りきらず、トートバッグに参考書を入れて持ってくる子もいました。また、コロナ流行初期は、自習席を個々人に固定して専用座席にしていましたが、その頃は、机の上や下に大量の参考書を置いて帰る生徒が数人いました。
Seras学院では、上の画像のような幅30×奥行38.8×高さ30.5㎝のロッカーを設置しています。全員分のロッカーを設置するスペースがないことから、無料ではサービス提供できません。1年契約で、年額2,200円になります。利用期間は、申し込み日~翌年の同月末までです。利用期間中の途中解約(返金)は受け付けません。
扉があるので中身が見えることはありませんが、カギが付いてないため貴重品の保管は禁止です。お菓子・ジュース等、ロッカーが汚れる物は入れてはいけません。スペースの限りのため、申し込みの先着10名様までが利用対象です。年額2,200円の価格設定ですが、とても安いと考えています。月額220円です。なお、ロッカーの材料費で1980円がかかっています。
セブンルールはカンテレ・フジテレビ系列で火曜夜11時に放送される、様々な分野で活躍する女性にスポットライト当てた密着取材番組です。学院長(男性)としては、女性経営者の目線を取り入れることができるので、大変勉強になっております。今回の主人公は三重県でチーズケーキの一種“チーズテリーヌ”を販売する店のパティシエ。なんと、メニューはたったの1種類。
それには理由があり、店を運営する女性スタッフが出産・育児といったライフイベントを迎えても、スムーズに次の責任者にノウハウを引き継げて、育児が落ち着いたら気兼ねなく復帰できる、そんな飲食店を作りたいという創業時のビジョンを守っていくためです。現在は、お取り寄せ販売が中心で、長い時は半年待ちの大人気店に成長しています。全国にチーズテリーヌを提供するのを目標にしており、全国制覇を目指して、日本地図にお取り寄せのお客様の都道府県が増える度に色ペンで塗りつぶしていくというのも、愛くるしい発想ながらその野望の高さを感じました。
私の前職の職場は、女性が活躍する大企業として厚労省から表彰されるような会社でした。そこで感じたのは、女性はいつ自分が出産育児で抜けてもよいように、業務ノウハウを文書化して、自分の案件を引き継ぐ後任者が困ることがないように準備しているということ。書類は綺麗に整理整頓されており、本人が持っているクリアファイルを渡されれば、それで引継ぎは完了したようなものです。逆に、男はダメダメです。退職するにしても、引継ぎ書もロクに書かずに、エラー・バグがあることも伝えずに去っていきます。女性は転職が難しく、育児から復帰する際には同じ職場に戻る可能性も考えているため、去るにしても後を濁さないのでしょうね。
1種類のケーキの応用技で塾業界について振り返ると、スタディサプリが思い浮かびます。東進で2軍レベルのトップレベル講師の高品質な授業が、月額2,178円という低価格で受けられます。東進との違いから、低価格の理由を考えると、校舎とその校舎スタッフがいないため、余計な費用がかからない点がまずは考えられます。また、数か月間ほど利用してみて感じたのは、講座の種類が少ないことです。かなり厳選しているような印象を受けました。「低価格だけど、高い質の授業を提供したい」というコンセプトで考えた場合に、チーズケーキの店と同じで講座の種類を絞るのはとても合理的な選択のように感じます。別の映像授業サービスは、講座数は多いけど、質はあまり良くない印象でした。大学受験は数年スパンで傾向も変わるので、定期的に講座のリニューアルも必要です。質を落とさないことを考えれば、その代わりに種類を絞るしかないようです。
Seras学院も他人事ではありません。この半年くらいで、各科目毎に指導方法を多様化させて、指導の幅を広げていっているからです。これは生徒の要望にできるだけ応えたいという想いで指導法を多様化していますが、講師の負担が増している印象があります。通常の週間面談の中で英語の指導も、数学の指導も、日本史・世界史も、古典もやっています。多様な科目の指導を一手に引き受けられる講師はそんなにたくさんはいません。
人による指導は狭く濃く。対応できる指導内容を限定することで、指導の質を高めていく。Atama Plusなど、AIによる教育も流行っていますが、英語と数学・理科の指導についてはSeras学院の講師はAIに負けることはありません。学力があることは当然のことで、AIにはできないことがあります。生徒との信頼関係を築いて、正しい学習法へ導くこと。相手の表情を見て理解度を測ることです。コンピューターは賢いかもしれません。でも、まだ自然に対話するレベルには到達していません。質問を投げかけて返ってきた回答の内容以外にも、会話の間や声のトーンで相手の理解度が掴めます。学院長は世界史の知識はないので、山川一問一答で生徒に口頭試問をする際には、問題の内容はよく分かっていません。ですが、各用語について生徒に詳しく説明させる場を設けています。生徒の説明が正しいのかどうか、私は分かりません。着目しているのは、声のトーンと表情です。それを見れば、理解しているかどうかは簡単に分かります。
人による指導の方が質が高いのは事実ですが、対応できる科目の範囲に限界があります。また、頂いた月謝の中で投入できる講師の人件費にも限りがあるため、参考書やICT教材によって広く浅く対応していくことになるのでしょう。参考書に限って言えば、必ずしも「浅い」わけではありません。参考書を執筆しているのは大手予備校の講師です。活字での説明を読みこなすことに慣れた学生であれば、東進の映像授業を受けることと、参考書で学習することに、学習の品質の差はありません。それがSeras学院が提案する参考書中心の自学自習の威力だと感じています。